チェンソーマン第127話で、空に落下していくアサをデンジがキャッチするシーンがあります。
今回はこのシーンについて個人的な考察や解釈をしていこうと思います。
というのもここのシーン、言葉では書かれていない描写ですがたくさんのことが表現されていると感じました
読者の数だけ解釈があって、そのどれもが正解だと思うのであくまで管理人はこう解釈した。程度に考えていただければ嬉しいです。
落下の悪魔の能力
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
チェンソーマン第二部で登場した根源的恐怖の悪魔である落下の悪魔。
落下の悪魔は対象をネガティブにし、トラウマの重さで対象を空に落下させて地獄に繋がっている扉から地獄に転送できる能力をもっています。
現段階では落下の悪魔がなぜ三鷹アサを生け取りにして地獄に転送したがっているのかは分かりません。
しかし第127話で落下の悪魔から直接落下を誘導されて、アサは空に落ちていってしまいます。
そのとき落ちていくアサの手を引っ張ったのがチェンソーマンの姿であるデンジです。
わかるよ
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
アサの心に負った傷が重くてチェンソーマンごと空に放り出されそうになりましたが、デンジのポジティブワード連発で、なんとか拮抗した状態で空中で落ち着きました。
デンジが誰かの言葉ではなく、自分の言葉で必死に伝えている姿に胸が熱くなるシーンです。
空中で停止している描写の意味
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
この空中で拮抗して止まっている状態ですが、こちらは空に落ちていくアサの「心の傷の重さ」と、アサを救おうしているデンジの「優しさの重さ」が同じと考えることができます。
デンジは一見なにも考えてなくてめちゃくちゃなシーンが目立つキャラクターですが、実は優しい一面もたくさんあります。
その優しさも分かりやすい派手なものではなく「目の前のあなただけに届けばいい」という相手一人のために合わせることができるタイプの優しさを持っています。
デンジの優しいところ
それではデンジくんの優しいところをピックアップしていきましょう。
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
自分が死んだあとのポチタの身を案じて幸せを願うデンジ。
自分の夢である「普通の暮らし」をして「普通の死に方をしてほしい」と願う優しさをもっています。
自分がいなくなったあとのポチタの心配までできるデンジくんは本当に優しい人なんだと思います。
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
パワーに騙されて蝙蝠の悪魔に食べられそうになってしまうデンジ。
体がボロボロになりながら脳裏をよぎったのはパワーが寂しくて不安な日々を送っていたのではないか、という心配でした。
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
自分のことなんて見てもらえなくて、さらにマキマさんの目的のためだけに大切な存在を奪われて深い傷を負わされてしまったデンジ。
その傷は第二部になってもデンジは乗り越えられていません。
しかしそんな非道い仕打ちをしてきた許されることのないマキマさんの罪まで「一緒に背負うよ」と、マキマさんを孤独にしないために決意するデンジの優しさ。
もちろんこの他にも初対面で泣いているレゼにお花を出す手品をしたり、魔人のおじさんを倒すときに「痛そうだから」という理由で先輩の命令を無視したり、
デンジくんは「誰にでも通じる汎用性の高い優しさ」ではなく「その人のことを考えたから渡せた優しさ」をもっていることが分かります。
アサの心の傷
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
また第二部で登場したアサですが、アサの周りの人間が酷いことに遭うことが多いです。
アサはそれをずっと後悔して、周りの人は傷つくのは自分のせいだと思い込んでいます。
親も猫も友達も、自分といるせいで不幸になったと考えてしまうアサの心の傷は重いです。
空中で手を繋いで止まっている
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
デンジとアサは手を繋いで空に停止しています。
これはアサの傷の重さと、デンジの他人の心を軽くしてくれる優しさが同じだと考えることができます。
第一部から読んでいる読者の方は、先ほど紹介したとおりデンジくんの目立たないけれど温かい優しさをご存知だと思います。
そしてそんな大きな優しさでも軽くしきれないほど、深い心の傷を負っているアサ。
どちらか片方だけでも情報をもっていれば、二人の心情がリアルに伝わってきます。
デンジの優しさを知っている人は、どれだけアサが傷つけられてきたのか。
アサの心の傷を知っている人は、どれだけデンジが優しいのか。
鏡みたいにどちらか片方を知っているだけで、もう片方の大きさも分かる構図になっています。
デンジとアサの対比
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
わりと正反対な描写が多い二人。
ここでお互い向き合って飛んでいることから、ここも主人公同士の対比となって描写されていることが分かります。
まとめ
(引用:チェンソーマン/藤本タツキ)
「デンジとアサを空に飛ばして固定させる」という描写一つでも、そこにはちゃんと意味があるように描写されているんだな、と改めて感じました。
特に第一部を読んだ読者からすれば、デンジの優しさと拮抗することでアサの心の傷の深さを直感で理解できる魅せ方の技術力が高すぎると感じました。
まだ第127話の時点では落下の悪魔に勝つ手段は見つかっていませんが、これからも少しずつデンジとアサの距離が縮まってくれたら嬉しいなって思っています。
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