アキくんは最期に「キャッチボールがしたかったんだ⋯」と呟きます。
その前には「雪合戦は好きじゃない」とも話しています。
今回はアキくんがなぜ雪合戦は嫌いで、キャッチボールがしたかったのかを考察していきたいと思います。
【結論】
お互いの気持ちを尊重し合いたかったから
まず結論からいきましょう。
アキくんは相手と自分の気持ちを尊重し合いたかったから。
キャッチボールはしばしばコミュニケーションの比喩として用いられます。
幼きころのアキくんは家族と心のキャッチボールをしたかったのだと思います。
その本当の意味は
家族の気持ちと自分の気持ち、その両方を大切にし合いたかったのだと思います。
では、順番に理由を解説していきます。
雪合戦と
キャッチボールの違い
まず、ここでは雪合戦とキャッチボールを比較してみましょう。
・相手に一方的に雪玉(気持ち)をぶつける
・投げる側も受け取る側も冷たくなる
・痛い(冷たい)
・相手を倒したら勝ち
・お互いの球を受け取り合う
・相手のことを考えて球を投げる
・グローブをしているから痛くない(温かい)
・相手を思いやり続けていく
今回の比喩表現の比較としては、上記の点があげられます。
家族とのすれ違い
幼き頃のアキくんは、両親に関心を持ってほしいと思っていました。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
それに対し両親は「お兄ちゃんなのだから我慢して一人で遊びなさい」と言います。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
ここでお互いの気持ちがすれ違ってしまいます。
お互いの気持ちを尊重することができず、自分の意見を通そうとしてしまいます。
その一方通行な気持ちのすれ違いは、まるで雪合戦のようです。
なぜ雪合戦が嫌いなのか
さっき記述したようにここで用いられる雪合戦の意味は
「一方的なコミュニケーション」です。
回想でタイヨウと外に出たとき、アキくんは「一人で遊べる」と言いタイヨウと遊ぶことを拒むという気持ち(雪玉)をぶつけます。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
それに対しタイヨウも一方的に自分の気持ち(雪玉)をぶつけます。
しかし雪玉をぶつけ合い、体が冷えていくタイヨウに対して自分も「兄弟で遊びたい」という同じ気持ちであることに気づきます。
なので「キャッチボールをしよう」と提案したのです。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
アキくんが雪合戦を嫌う理由は、一方的なコミュニケーションだからといえます。
なぜキャッチボールがしたかったのか
雪合戦の対比として描かれているのがキャッチボールです。
ここでは「お互いを尊重し合うこと」として描写されています。
自分の気持ちを一方的に押し付けあってすれ違ってしまった家族と本当にしたかったのは、自分の気持ちを通すだけでなく、両親やタイヨウの気持ちを受け止めることだったのではないかと思います。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
そして、相手の気持ちを尊重したうえで自分の気持ちも受け止めてもらいたかったのでしょう。
デンジの想いが伝わったから
覚悟を決めたデンジの攻撃を受けるアキくん。
そのときデンジが泣いていることに気づきます。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
デンジの想いがアキくんに届き、アキくんは雪玉を投げることをやめます。
それはつまり、現実世界の銃の魔人の攻撃を自らの意思で止めたことにつながります。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
そしてアキくんの世界からデンジがいなくなり、代わりにタイヨウがグローブを持って家から出てきます。
デンジの想いが伝わったから、自分と同じ気持ちだったと気づけたのです。
「お互いを大切にしたい」
そんなデンジの温かい想いが、アキくんの人格を最期に取り戻すきっかけとなったのです。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
そしてアキくんは、夢の中でキャッチボールをして安らかに微笑むのです。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
まとめ
最後、銃の魔人が倒れているシーンが映りますが、ここの銃の魔人は優しい表情で微笑んでいるようにも見えます。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
これはアキくんの精神と連動していて、安らかな心であるという描写だと思いました。
デンジの想いが、最後にアキくんを支配から解放したのだと、僕はそう思います。
読んでくださってありがとうございました。
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