刺客編が終わりました。
刺客編のご褒美は「マキマさんとの旅行」で、そのためにデンジくんは頑張っていました。
それは師匠とのバトルでも「闘う理由」として語っていました。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
しかし、デンジくんは結局マキマさんと江ノ島へ行くことを選びませんでした。
その考察を今回はしていきたいと思います。
デンジくんの心境の変化
先ほども書きましたが、デンジくんの今回の目的は「マキマさんと旅行へ行くこと」でした。実際に闘いの次の日にマキマさんから旅行の誘われています。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
二人だけのデートでもあんなに飛び跳ねるほど喜んでいたデンジくん。
二人で旅行だなんて夢のようだと思います。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
マキマさんからの誘いも脊髄反射で「超行きます!」と元気よく返事をしています。
しかし、ふと考え直します。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
そして「今、早川家が大変なことになっているから行けない」と断ります。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
「早川家が大変なことになっていること」が大きなポイントとなり、デンジくんに心境の変化をもたらしました。
「知るということ」
女性を大切にするデンジくん。
女性の誘いは基本的に断りませんが、今回のマキマさん以外にも断ったことがあります。
それはレゼからの誘いです。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
レゼと花火大会を観に行ったとき「一緒に逃げよう」とレゼから誘われます。
しかし、デンジくんはレゼの誘いを断ります。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
この理由は二つあります。
一つは、まだレゼのことをあまりよく知らなかったから。
二つは、早川家のことをたくさん知り始めていたから。
しかしその後、レゼが逃げるときには自分から「一緒に逃げねぇ?」と声をかけています。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
その理由はシンプルです。
レゼのことをたくさん知ってしまったから。
今の生活を失ってもいいと思えるくらい、知ってしまい愛してしまったから。
このことから
デンジくんにとって大切なことは「知るということ」ということが分かります。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
「知らねぇ」
しかし、アキくんに「なんでお前はマキマさんと行かなかったんだ?」と訊ねられた際にデンジくんは「なんでだ⋯?知らねぇ」と答えます。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
マキマさんに「パワーちゃんを公安の施設に預ければいいよ」という提案があったにもかかわらずです。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
デンジくんは「自分がいなきゃダメだ」と薄々感じてはいますが、優先順位がマキマさんより高くなっている理由については言語化出来ていない様子でした。
そして、「知らねぇ」のセリフのあと、早川家の生活が淡々と描写されていきます。
光が入ってくる窓。風でそよぐ洗濯物。三人で食べた食事。洗い物。それを片付けるデンジくん。夕方のテレビを同じソファで並んで観る。少しずつ近くなっている三人の距離感。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
三人で作り上げた生活模様がとても静かで、儚く美しいのです。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
そして、それが何よりもかけがえのない大切なものなのだとデンジくんは薄々感じて知っているのです。
言葉にできない感情は、言葉にできないまま。
デンジくんの中でゆっくりと育ち、マキマさんとの旅行よりも大きくなったのかもしれません。
謎多きマキマさんと、共に暮らしている三人の生活を天秤にかけたとき、大切だったのは一番知っている三人での生活になったのでしょう。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
早川家
早川家の三人は、みなそれぞれに過去が明らかになっています。
デンジ
母は心臓の病気で亡くなる。父は自殺。ポチタは心臓をくれた。
アキくん
家族全員が銃の悪魔に殺された
パワー
今まで目が合った奴は殺してきたが、ニャーコと共に生きることで血が温かいものだと知る。
一人でいることの寂しさを誰よりも分かっている三人だからこそ、例え殴り合いの喧嘩をしていても見放したりしないのだと思います。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
「悪魔と仲良くできる気がしません」と言っていたアキくんが「3時間ごとに交代で眠るぞ。パワーが暴れ出したら俺を呼べ」と当たり前のように言うところがすごく好きです。
また、デンジくんがパワーと一緒にお風呂に入っていても「不思議だ、全然エッチな感じしねぇ」と言っています。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
これはデンジくんがパワーのことを「家族」だと知らずしらずのうちに認識しているからなのだと思います。
まとめ
刺客編のテーマは「知ることと、バカでいること」だと筆者は考えています。
その中でも今回のデンジくんの心境は「その人たちを知っているからこそ」の動きをしていました。
デンジくんはマキマさんとの旅行を行きたくなかったわけではありません。
それよりも大切にすべきものを知っていたのです。
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
(引用: チェンソーマン/藤本タツキ 出版/集英社)
読んでくださってありがとうございました。
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