【注意】チェンソーマンの二次小説です。また設定を少し変えています。ご理解頂ける方のみ、お進みいただけますよう宜しくお願い致します。
 とある悪魔と契約した。
 これで契約した悪魔は二匹目になる。
 なんでもこの悪魔。能力を使うたびに私の精神がおかしくなっていくらしい。
 いやだなぁと思いながらも、公安を辞めたら親に仕送りできないし、銃の悪魔も殺せないから仕方なく契約した。
 本当に公安は職員のことを人間扱いしていない気がする。私の先輩もみんな、悪魔に殺された。契約のせいで殉職した人のことも知ってる。
 契約のせいで殉職するなんて本末転倒だ。
 今日は激務だった。グロテスクな悪魔との闘いが長引いたせいで、能力を三回も使ってしまった。脳の奥がなんだかムズムズするし全身が怠い気がする。手先が痺れる。いやだなぁ。
 配置された先で出会う悪魔はみんな強い。そのたびに私は契約した悪魔の能力を使い、だんだんと頭がおかしくなっていく。
 怖いのは、私自身がどう自分の頭がおかしくなっていっているのか理解できていないことだ。周りから見たらどれくらいおかしくなっているのだろう。分からない。
 例の悪魔と契約して三ヶ月が経った。
 私は公安に拘束された。
 私は至って正常だ。まだ壊れていない。
 しかしベッドの上で仰向けにされて手枷を嵌められた。窮屈で仕方がなかった。
 だから横に立っている公安の人に外してくれと頼んだ。
 その人は涙を静かに流して何も言わなかった。
 きっと、何も言えなかったんだと思う。
 ごめんね。私、もう自分がどれくらいおかしいことになっているか自覚してない。
 貴方はきっと涙を流すくらい私のことを大切に想ってくれていたんだと思う。
 それでも私はもう、貴方の名前すら覚えていない。
 煙草が吸いたくなった。煙草を取ろうとしたら何かが邪魔でとれない。
 目の前が真っ暗になった。
 何も見えない。
 何も触れない。
 
 怖い。
 真っ暗だ。
 とうとう脳と視覚の接続部分がバグったんだ。
 誰か。
 どうしよう。
 どうしよう。
 私が泣いていると、誰かが手を握ってくれたのが分かった。
 目が見えなくなっても、その人の姿が見えた気がした。
 きっと、記憶が少しだけ残っていたんだと思う。
 その人の名前は思い出せないけれど、顔は覚えていた。記憶の中のその人はかっこいい顔をしていて、変な髪型だった。
「ねえねえ、なんでそんな変な髪型にしたの?」
 思わずそんな言葉が口をついた。
 懐かしいと思った。
 それが私の中で生まれた最期の感情だった。
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